週刊キャスティング
第1号2026年10月26日〜11月1日発行:株式会社Galante
海外のインフルエンサー施策と、国内の起用。1週間分を1冊に。
成果報酬の落とし穴

成果報酬と広告の売上が重なる二重計上の報告

成果報酬のクリエイター経由で売上の35%と見ていたブランドが、広告費を削ると同じ割合で売上が落ちたという報告。コードが広告経由の客まで拾っていた可能性が指摘されている。

SambhavOnX氏(インフルエンサー施策と成果報酬プログラムの運営を発信している方)は、ある消費者向けブランドの例を挙げた。成果に応じた報酬(アフィリエイト)のクリエイターが売上の35%を生んでいると見ていたが、Meta広告費を削ったところ、クリエイター経由の売上も同じ割合で落ちたという。匿名の事例で、数字は氏の申告である。

氏が挙げる典型的な原因は、割引コードが有料広告で来た客を拾ってしまうこと、またはコードがクーポンサイトに流れることだ。成果報酬の売上の線が広告の線とそっくり同じ動きをするなら、同じ客に二重に報酬を払っている可能性がある、という見方である。

日本で成果報酬型の提案をする場合も、同じ構造は起こりうる。ただし日本では、成果報酬の契約が可能か、開示をどう付けるかを、演者の方・所属事務所様ごとに先に詰める必要がある。コードの設計だけでなく契約と開示の確認が前提になる。

打ち手は効果報告にある。コード経由の売上を、広告を止めた期間・絞った期間と並べて見せる。そのうえで、広告と重なる分を除いた数字を別に出す。報告の段階で重複を切り分けておくと、次の予算配分の説明が崩れにくい。

出典:@SambhavOnX 氏の投稿 2026年10月31日

今週の国内の起用から
キリンビールの告知画像
山﨑賢人さん・井川遥さん本麒麟写真:キリンビールの発表より
株式会社ドウシシャの告知画像
武尊さん・川口葵さんU.S. POLO ASSN. 2026年秋冬新作Urban Smart別注コレクション写真:株式会社ドウシシャの発表より
岡山県の告知画像
内田理央さん晴れの国OKAYAMA魅力発見プロジェクト “パワー”アップ イベント写真:岡山県の発表より
2

広告起用

CM・Web CM・広告への起用
キリンビールの告知画像
山﨑賢人さん・井川遥さん
本麒麟|TVCM出演

山﨑賢人さん・井川遥さん・江口洋介さんが本麒麟TVCMに

キリンビールは「本麒麟」のリニューアルに伴い、TVCMに初出演となる山﨑賢人さん、井川遥さん、かねて出演している江口洋介さんの3名を起用しました。新TVCM「新・本格ビールへ篇」(15秒)を10月28日から、「本麒麟の真実を語る 山﨑賢人篇/江口洋介篇/井川遥篇」(各15秒、30秒)を11月4日から全国で放映します。醸造家たちの言葉に耳を傾けた3名が、インタビュー形式で感想を語る内容です。

起用の筋 見立て:発表には3名の起用理由は書かれていない。「本麒麟」が従来の新ジャンルからビールへ製法を変え、麦100%生ビールへリニューアルする時期に、新TVCMへ出演する。

キリンビールの発表(10/27)

丸亀製麺「肉辛まぜうどん」
二宮和也さん・松岡昌宏さん
丸亀製麺「肉辛まぜうどん」|TVCM出演

二宮和也さん、松岡昌宏さんと丸亀製麺TVCM初共演

丸亀製麺の新TVCM「もう戻れない。肉辛まぜうどん」松岡昌宏・二宮和也 共演篇に、二宮和也さんが松岡昌宏さんとTVCM初共演で出演しました。二宮さんが『肉辛まぜうどん』を豪快に味わう内容で、2026年11月1日(日)から全国(一部の地域を除く)で放送が始まっています。

起用の筋 見立て:『肉辛まぜうどん』は松岡昌宏さんとの共同開発商品で、発表には二宮さんの起用理由を述べた文は見当たらない。本文からは、松岡さんと親交があり、今回が初共演のTVCMであることがうかがえる。

株式会社丸亀製麺の発表(10/26)

3

アンバサダー・イメージモデル

ブランドの顔としての就任
株式会社ドウシシャの告知画像
武尊さん・川口葵さん
U.S. POLO ASSN. 2026年秋冬新作Urban Smart別注コレクション|イメージモデル

武尊さん・川口葵さん、U.S. POLO ASSN.のイメージモデルに

株式会社ドウシシャは、「U.S. POLO ASSN.」の2026年秋冬新作Urban Smart別注コレクションのイメージモデルに、武尊さんと川口葵さんの2名を起用しました。コレクションは2026年11月1日より、イオン九州が運営する九州内の「イオン」「イオンスタイル」53店舗で販売が始まり、イオン九州オンラインでは10月31日より先行販売が予定されています。

起用の筋 発表:ドウシシャは、武尊さんと川口葵さんの「カジュアルながら落ち着いたスタイル」と「二人の新たなステージを迎えたさわやかな表情」が、秋冬コレクションに新鮮なイメージを加え、ブランドの洗練された世界観を一層際立たせるとしている。

株式会社ドウシシャの発表(10/29)

4

登壇・イベント出席

発表会・PRイベント・授賞式への出演
岡山県の告知画像
内田理央さん
晴れの国OKAYAMA魅力発見プロジェクト “パワー”アップ イベント|スペシャルゲスト

内田理央さん・なかやまきんに君さん、岡山県イベントに登壇

岡山県が2026年10月26日に開いた「晴れの国OKAYAMA魅力発見プロジェクト “パワー”アップ イベント」に、スペシャルゲストとして内田理央さんが、なかやまきんに君さんとともに登壇した。内田さんは同日から岡山県公式YouTubeチャンネルで公開される「岡山旅Vlog」について語り、倉敷市児島で手作りした「オリジナル岡山デニム」を初披露した。イベント後半では、なかやまきんに君さんと「おかやまきんに君はどっちを選ぶでショー」を実施し、カキオコを実食した。

起用の筋 見立て:発表には起用の理由は書かれていない。開催日の10月26日は語呂合わせで「デニムの日」にあたり、内田さんの「岡山旅Vlog」の公開日でもあった。

岡山県の発表(10/26)

ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2026 in 東京
山田涼介さん
ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2026 in 東京|公式レポーター

山田涼介さん、FFXIV公式レポーターに

スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2026 in 東京」のステージで、山田涼介さんが最新拡張パック「白銀のワンダラー」の公式レポーターに就任したと発表した。基調講演後、山田さんがサプライズで登壇し、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と30分ほどのトークセッションを行った。山田さんは公式レポーターとして、「白銀のワンダラー」に向けた新しいCMにも出演する。

起用の筋 発表:吉田氏は、「FFXIV」を知ってはいるがまだプレイしたことがないという点が、公式レポーターを依頼した一番の理由だと説明。これから始める人と同じ目線で魅力を伝えてほしいとしている。

game.watch.impress.co.jp の記事(10/31)

5

雑誌の表紙

雑誌の表紙への起用
『CLASSY.』2026年12月号増刊 Special Edition
山田涼介さん
『CLASSY.』2026年12月号増刊 Special Edition|表紙に登場

『CLASSY.』増刊の表紙に山田涼介さん

光文社は2026年10月28日、『CLASSY.』12月号増刊 Special Editionの表紙に山田涼介さん(Hey! Sɑy! JUMP)が登場すると発表しました。2026年5月号以来2回目のカバー登場で、今回は『#TOKYO恋するおうちデート』をテーマに撮影し、初のとじ込み付録も付きます。通常版の表紙は浜辺美波さんです。

起用の筋 見立て:2026年5月号に続く2回目の表紙で、前回の初デート企画から『#TOKYO恋するおうちデート』へとテーマを変えた誌面。発表には起用の理由は書かれていない。

株式会社光文社の発表(10/28)

6

海外の潮流

X の実務者の投稿から、今週よく出た話題
使用許諾の別行化

使用期間を日付で区切る見積りの形

UGCクリエイターのGemma氏は、約1年前は動画3本(50〜60秒)と12カ月のホワイトリスト許諾だった案件が、今は動画2本(20秒)と3カ月の有償使用になり、金額は上がったと投稿した。本数と尺が減り、使用期間も短くなった条件での話で、自己申告である。

Leroy Young氏はCollabstrの2026年レポートを引き、動画の値付けに有償使用・ホワイトリスト・素材の提供が含まれたままになりやすいと指摘する。基本料は制作物、有償使用は日付で区切って基本料の20〜50%上乗せが目安、ホワイトリストと素材は別行にする、という整理である。

氏は、期限のない許諾に上乗せがなければ許諾を無償で渡したことになる、とも書く。2つの投稿は、制作物と使用権を分けて値付けする流れを示す。ただしどちらもクリエイター側の発信で、ブランド側の事情は含まれない。

Gemma | UGC Creator & strategist@gemmatravelugc
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Leroy Young@LeroyCreates
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Galanteの視点 見積りでは、基本料・使用期間・広告配信(ホワイトリスト)・素材提供を別行にし、期間は日付で書く。国内では所属事務所様との契約書の二次利用条項で、同じ区切りになっているかを確認したい。

出典:@gemmatravelugc 氏の投稿 2026年10月30日/@LeroyCreates 氏の投稿 2026年10月30日(Collabstr 2026年レポートを引用)

施策費の配分

施策費の配分例と多数契約の設計

Josh Durham氏は、月5万ドルを使う場合の配分例を示した。3万ドルを中堅クリエイターのホワイトリスト広告(クリエイター名義で出す広告)、1万ドルを毎月30〜100人への商品提供に充てる。成果報酬は管理サービス(Trybe)の利用を前提に月1万ドルまで育て、反応の良い動画は本人のアカウント経由で広告に回し、良い方には毎月制作を続けてもらう。

Cedric Roberge氏は自社アプリの初期の例として、ニッチ領域のクリエイター100人超と契約したと書く。再生1,000〜5,000規模の方々に少額の固定報酬で8本を依頼し、3人が購入に至れば元が取れる設計だった。個人コードによる売上連動の報酬を加えると、依頼より多く投稿する例が出たという。

最初の連絡は「有償案件/成果報酬の提案」から始めると読まれやすく、「アプリを作りました」で始めると開かれにくいとも氏は書く。共通するのは、1人の大型起用ではなく多数に小さく頼み、当たった素材を広告で伸ばす点だ。どちらも自己申告で、規模と業種は違う。

Josh Durham🔋 Influencer Marketing@JoshJDurham
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Cedric Roberge@Cedric_Roberge
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Galanteの視点 提案書の予算配分では、起用費・配信費・成果連動の3つの箱に分けて見せる。配信費の箱に「当たった素材を広告に回す」前提を入れ、国内では演者の方の名義で広告配信する許諾を、所属事務所様と先に確認する。

出典:@JoshJDurham 氏の投稿 2026年10月30日/@Cedric_Roberge 氏の投稿 2026年10月30日

AI素材の扱い

AI生成素材の扱いを巡る動き

nolan氏は、TikTokが7月にAI生成スパム専用アカウントの検知を試験していると述べ、すでに30億本超をAI生成とラベル付けしたと書く。同じ月に、ブランド側の反発も米紙で報じられたという。

氏によれば、SharkNinjaは成果報酬プログラムでAI生成コンテンツを禁止し、使ったクリエイターの報酬を取り消す。伸び続けているアプリは、AIを撮影の裏側(画像・フック案・バリエーション)に移し、実在のクリエイターの方が自分の言葉で書き直して、履歴のあるアカウントから手で投稿しているという。

氏は3つの混ぜ方を別の記事にまとめたと予告しており、その中身はここでは確認していない。数字と企業の対応はいずれも氏の投稿に基づく。

nolan@nolantoken
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Galanteの視点 提案書では、AIは案出しと素材の下書き、投稿は本人の言葉と履歴のあるアカウント、と役割を分けて書く。AIで人物像そのものを作る起用は避け、使う場合は開示の付け方を先に決めておく。

出典:@nolantoken 氏の投稿 2026年10月30日

7

今週の国内の起用のデータ

今週報じられた国内の起用 48件の集計(同じ起用の重複を除く)

業種

メディア・エンタメ
33件
外食・小売
3件
旅行・地域
3件
ファッション
3件
酒類
2件
金融・通信
1件
食品・飲料
1件
その他
1件

種類

ドラマ・映画
14件
イベント・PR
13件
CM・広告
11件
雑誌の表紙
7件
アンバサダー・イメージモデル
2件
その他
1件
8

今週の起用の型

今週の国内の起用から

同一ブランドに複数の演者

本麒麟では、山﨑賢人さん・井川遥さんが続投の江口洋介さんと3名で、丸亀製麺「肉辛まぜうどん」では、二宮和也さんが共同開発の松岡昌宏さんと初共演で新CMに出た。続けて出演する方に新しい方を合わせ、同じ商品を複数名で見せる形である。

例:山﨑賢人さん・井川遥さん×本麒麟/二宮和也さん×丸亀製麺「肉辛まぜうどん」

発表会での新アンバサダー登壇

商品や企画の発表会に、新アンバサダーやゲストが登壇する形が並んだ。発表の場で顔を出し、そのまま後続の露出につなげやすい。

同一コレクションに2名のイメージモデル

U.S. POLO ASSN.の別注コレクションでは、武尊さんと川口葵さんの2名がイメージモデルに起用された。1つの企画に分野の違う2名を置き、見る層を広げる形である。

例:武尊さん・川口葵さん×U.S. POLO ASSN. 2026年秋冬Urban Smart別注コレクション

9

来週見ること

  1. 成果報酬とコード経由の売上が、広告と重複していないかを論じる投稿が増えるか。
  2. クリエイターの使用期間・広告配信・素材提供を別行で見積もる事例が、ほかにも出るか。
  3. AI生成素材を禁止または制限するブランドや媒体の動きが続くか。
編集後記

今週は、海外の実務者が配分や契約の区切り方を細かく書く投稿が目立った。ほとんどが自己申告で、条件も規模も異なる。数字そのものより、何を別行にし、何を分けて測るかという見方を持ち帰りたい。

出典(12件)
  1. @SambhavOnX 氏の投稿 2026年10月31日 https://x.com/SambhavOnX/status/2116323188963496135
  2. @gemmatravelugc 氏の投稿 2026年10月30日 https://x.com/gemmatravelugc/status/2115785364069871710
  3. @LeroyCreates 氏の投稿 2026年10月30日(Collabstr 2026年レポートを引用) https://x.com/LeroyCreates/status/2116157197151256790
  4. @JoshJDurham 氏の投稿 2026年10月30日 https://x.com/JoshJDurham/status/2116182122729779532
  5. @Cedric_Roberge 氏の投稿 2026年10月30日 https://x.com/Cedric_Roberge/status/2115875168149287255
  6. @nolantoken 氏の投稿 2026年10月30日 https://x.com/nolantoken/status/2115815083968197007
  7. キリンビールの発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000180733.html
  8. 株式会社丸亀製麺の発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000333.000056642.html
  9. 株式会社ドウシシャの発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000993.000028427.html
  10. 岡山県の発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000521.000023972.html
  11. game.watch.impress.co.jp の記事 https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/2152851.html
  12. 株式会社光文社の発表 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002531.000021468.html